腸の働きは、一億個以上の神経細胞により制御されています。しかも、その神経細胞は、脳から指令を受けるのではなく、腸自らの意思を持って働いているのです。この神経細胞は脳の神経細胞とほぼ同じ。脳も腸もお互いに独立した意思を持ち、自ら考えて働く器官なのです。とはいえ、同じ体を共有しているわけですから、お互いは連携して体の機能を維持しています。この関係を「腸脳相関」といいます。脳と腸は、血管や自律神経を介して繋がり、脳と腸の間では、密な情報のやり取りが行われているのです。
例えば、人前に出て何かやらなければいけないときは、人は緊張状態になりますが、脳がその緊張を感じ取ると、腸にもそれが伝わり、腹痛が起きたり、下痢をしたりします。また、腸内環境が悪いと安眠が得られません。精神的なストレスがたまると便秘がちになるのも腸脳相関のなせるわざ。脳と腸、どちらかの状況が、両方の機能に影響してしまいます。それだけではなく、脳と腸の間を介している自律神経にまでも影響が出てしまうのです。
これは、腸内環境を整えれば、脳にも自律神経にもいい影響を及ぼすということもあります。一般的に、腸内環境を整えるには、腸内細菌のバランスを善玉菌を優勢にすることがいいとされています。手っ取り早く善玉菌を優勢にするには、腸内にビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を外から送り込むこと。外から入れた善玉菌に定着しませんが、もともと腸内に住む善玉菌を活性化し、善玉菌優位の環境に整えます。ヨーグルトや乳酸菌飲料を摂ることが手軽な方法ですが、日本は、みそや納豆、ぬか漬けなど、昔からの発酵食品が豊富です。毎食一品でも、何かしらの発酵食品を食べるようにするだけで、腸の調子にも変化が現れるでしょう。
❋腸内環境を整える発酵食品9選
発酵食品とはビフィズス菌や乳酸菌など、腸内にいい影響を及ぼす菌の力を借りて発酵熟成を行った食品です。毎日食べることで腸内環境が整います。
①ナチュラルチーズ ②ぬか漬け ③キムチ ④塩こうじ ⑤ヨーグルト ⑥味噌 ⑦納豆 ⑧甘酒 ⑨乳酸飲料
❋発酵食品の効果を上げる食べ方
①毎日食べ続ける 腸内細菌は便と一緒に排出されるため、毎日定期的に摂る必要があります。工夫してこまめに摂りましょう。
②食物繊維と一緒に摂る 食物繊維は腸内細菌の餌になります。ぬか漬けやキムチは、野菜も一緒に摂れるので効果的です。
③なるべく過熱しない 発酵食品に含まれる菌は過熱に弱いため高温で熱すると死滅します。なるべく過熱は避けましょう。






