総務省の調査によると、日本に住む10歳以上の人の睡眠時間は7時間40分。ここ数十年の間に、日本人の睡眠時間は短くなっていく傾向がみられます。日本人の眠らなさは世界的にも際立っています。OECD(経済協力開発機構)の調査によると、欧米諸国や中国、南アフリカ、オーストラリアの平均睡眠時間は男女共に8時間以上あり、中には9時間以上という国もあります。特に女性の睡眠時間が短く、最も多い南アフリカの女性に比べると2時間近くも短いのです。

 

交代制勤務や長時間通勤などで、どうしても睡眠時間が短くなってしまう人もいれば、夜遅くまで受験勉強やインターネット、ゲームなどをしていて、夜型生活になっている人もいるでしょう。その一方で、『眠れない』と悩んでいる人も非常に多く、日本人の3人に1人は睡眠の悩みを抱えているといわれています。

睡眠の一番の役割は、脳と体を休ませて、疲れを回復させることです。特に脳の疲れは、体の疲れよりも自覚しにくいのですが、起きている間、脳は常に活発に働いていて、たくさんのエネルギーを使っています。しっかり眠らなければ、脳の疲れを回復させることはできません。また、睡眠中には子供にも大人にも重要な『成長ホルモン』が分泌されます。さらに、免疫機能を保ったり、脳に記憶を定着させたりするのも、睡眠の大きな役割です。

 

睡眠の5つの大きな役割

①脳と体を休ませる 起きている間に使った脳と体を休ませて、疲れを回復させる。特に脳は睡眠をとらなければ休むことはできない。脳がオーバーヒートしないように、睡眠中は脳の温度が下がるようになっている。

②成長ホルモンの分泌 就寝直後の深い眠りの時に、成長ホルモンが多く分泌される。骨や筋肉の成長を促すだけではなく、細胞の修復やタンパク質の合成にも関わっているため、大人にとっても重要。

③免疫機能を保つ 昼間は感染した細胞などを攻撃する『ナチュラルキラー細胞』の働きが活発になり、夜間はウイルスなどから体を守る『抗体』が活発につくられる。睡眠不足だと、これらの働きが低下する。

④ストレスを解消する 慢性的なストレスがあると、自律神経のバランスが崩れて、交感神経が優位になる。深い睡眠を摂ることで、自律神経のバランスが整い、ストレス解消につながる。

⑤記憶を脳に刻んで整理する 夜に勉強して8時間寝た後にテストを受けるのと、朝勉強をして8時間後にテストを受けるのでは、前者の方が成績が良いという結果がある。睡眠中に、その日の出来事や学習内容を、記憶として脳に刻み込んで整理しているためと考えられている。

 

 

 

 

 

 

 

 

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